産廃数千トン放置長期化 代表者は行方不明(宮城県大崎市)
不法投棄実行者や土地所有者が倒産したり、死亡してしまったりしたため、廃棄物の撤去を求める責任者がいなくなってしまったという、深刻な問題です。
誰も撤去する人がいなければ、宮城県が行政代執行をせざるを得なくなります。
そのため、事実上、不法投棄された廃棄物の全量撤去は極めて難しくなります。
宮城県の財源は無尽蔵ではないからです。
多くの不法投棄現場と同様、著しく危険な場所の修復や廃棄物撤去という、現実的な解決策に落ち着くはずです。
聞き捨てならないのは下記の部分。
記事になる過程で、前後の文脈やキーワードが抜けている可能性が高いので、このまま論評することは適切ではないのかもしれませんが、少なくとも、メディアとしてはこのような見解を載せている以上、批判の対象となることも覚悟の上と考えますので、しっかりと批判します。
岩手大の颯田尚哉教授(物質環境動態学)は「不法投棄を防ぐには、過去に行政指導を受けた業者に対して産廃処分業の許可を更新しないなど、より実効性のある対策を講じる必要がある。住民は地域の環境を自分たちで守る意識を持つことが大切だ」と指摘する。
「行政指導」とは、命令をかけるほどの重大な違反ではなく、簡易迅速に当事者に自主的な解決策を取らせることに重きを置く場合に用いられる、行政の指導的措置です。
一口に行政指導といっても、単なる指導的な助言から、命令の対象になる一歩手前の重篤な状況まで、多種多様な状況下で発せられるものです。
そのため、行政指導を受けた許可業者の許可更新をすべて認めないというのは、信号無視をすれば即死刑というのと同様の暴挙です。
業者を悪者にすれば不法投棄が無くなるに違いないというのは、非論理的な迷信です(笑)。
その他、環境保全の責任を「住民」のみに押し付けるのも、乱暴すぎる結論です。
もう少し、社会の実態を見てからコメントをするか、あるいは、記事にするかしていただきたいものです・・・
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2010年7月20日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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