委託者の岬町まで家宅捜索

新聞報道の表現が不正確なため、一読しただけでは事件の経緯がわかりにくくなっていますが、先に報道内容をそのまま転載します。

2013.6.28 02:02 産経ニュース 産廃、ごみ処理場に不法投棄 府警、容疑で岬町の施設捜索 大阪

 岬町が運営するごみ処理施設に産業廃棄物を無断で投棄したとして、府警生活環境課は27日、廃棄物処理法違反(不法投棄)容疑で、同町からごみの分別業務を委託されている産廃収集運搬会社「近畿保全サービス」(同町深日)と、同町のごみ処理施設「岬町美化センター」を家宅捜索した。

 府警は施設内に出入りできる委託業者の地位を利用し、公金で処理されるごみの中に産廃を紛れ込ませた疑いがあるとみて、押収資料の分析を急ぐ。

 府警によると、同社は5月23日、同センターのごみの仮置き場に、2トントラック6台分のコンクリート破片や廃プラスチックなどの産廃を無断で運び込んで投棄した疑いがある。

 同社は平成24年6月から、一般家庭から集めた粗大ごみの分別業務などを町から委託されていた。分別は仮置き場で行われていたという。センターには同町の嘱託職員が8人勤務しているが、仮置き場には人員を配置していなかった。

他の複数のTV報道などを見比べて大体の事件の概要を理解しました。

1.岬町が町民から回収した粗大ごみの分別作業を、近畿保全センターに委託

2.近畿保全センターは岬町の清掃センターで、粗大ごみの分別作業に従事

3.粗大ごみの分別作業は近畿保全センター単独で常時行っており、岬町が監督をしていたわけではなかった(と思われる)

4.近畿保全センターが、粗大ごみとは無関係の産業廃棄物を持ち込み、粗大ごみの中に混入させた

という経緯のようです。

事実が上記のとおりであるならば、たしかに産業廃棄物をみだりに捨てた不法投棄で廃棄物処理法違反に該当します。

ただ、報道を見る限りではそれほど大量の産業廃棄物を捨てていたわけではなく、
委託者の岬町が犯行に気付いていないのに、いきなり警察が家宅捜索したように見えます。

一般廃棄物処理利権をめぐる暗闘があったのでしょうか?

通常なら、岬町は産業廃棄物を不法投棄された被害者という立場になりますが、
今回は警察の家宅捜索の対象になっています。

岬町は委託者としての管理責任を怠っていた疑いを持たれているためのようです。

ABCニュースの報道によると

岬町の職員は信頼関係のもとで業務発注し請け負っている、誠に遺憾と思っているなどと話し、

とありますので、やはり、満足な事後チェックなどをしていなかったようです。

委託先業者と信頼関係を築くのは大変重要なことですが、
信頼しているからといって、公金支出先の業務結果をチェックしなくても良いという理屈はありません。

他の自治体においても、他山の石とするべき事件でした。

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