一般廃棄物をごみ集積所に不法投棄?

一般廃棄物を一般廃棄物の集積所に不法投棄して捕まるという、少し珍しい事件がありました。

しかも、不法投棄実行犯が京都市の清掃事務所で一般廃棄物の回収をしている職員だったというのが二重の衝撃でした。

一般紙よりも報知新聞の方が取材を綿密にしていますので、そちらの記事を紹介します。

2013年7月31日06時05分 スポーツ報知 ゴミ収集員がゴミ不法投棄!無関係マンションに自分たちのゴミをポイッ

 無関係のマンションのごみ集積場に自分たちのごみを不法投棄したとして、京都府警山科署は30日、廃棄物処理法違反の疑いで京都市伏見まち美化事務所の男性職員(35)=伏見区=と妻(38)ら計4人を書類送検した。家庭ごみの収集などを担当していた職員による極めて悪質な、ごみ出しの“ルール違反”とあって、批判の声は高まりそうだ。

 街の清掃業務を請け負うごみ収集員が、自らの職務に逆行する不法投棄に手を染めた容疑で送検された。

 職員の送検容疑は5月25日と6月1日、居住していない京都市山科区のマンションのごみ集積場に、妻や2人の兄とともに、紙、衣類などをポリ袋計5袋に詰めて捨てた疑い。4人は容疑を認めており、職員は「兄の引っ越しや自分の車の掃除で出たごみを捨てた」と話している。

 山科署と京都市によると、不法投棄された現場は職員の長兄が以前住んでいたマンションで、民間の清掃業者と契約しているため細かく分別する必要がなかったという。

 5月25日は長兄の引っ越し日。最中に出たごみをどう処分しようか悩んでいたところ、長兄が「以前住んでいた、あのマンションは分別しなくても捨てられる」と提案。職員は午後3時半過ぎに引っ越しに使っていたレンタカーのトラックでマンションに向かうと、DVDデッキや衣類、雑誌など3袋を捨てていった。

 2度目の投棄は引っ越しから1週間後の6月1日。長兄が引っ越す前の住居にごみがまだ残されていると連絡を受けた職員は、受け取りに向かった後、そのごみの処分についても長兄に相談したところ「前に捨てた場所に捨てろ」と指示されたため従ったという。

DVDデッキや衣類、雑誌などの雑多な廃棄物を、それを捨てるべき場所ではないところに捨てたために、「みだりに」投棄したことにあたり、逮捕されたというものです。

一般廃棄物の回収場所ではあるものの、そこに出す権限がない者が廃棄物を放置すると、やはり不法投棄になります。
一般廃棄物と同じ性状の産業廃棄物を一般廃棄物回収場所に放置した場合も、やはり不法投棄になります。

新聞の記事を読んで気になったのが、「不法投棄された現場は職員の長兄が以前住んでいたマンションで、民間の清掃業者と契約しているため細かく分別する必要がなかった」という部分。

マンションであろうとなかろうと、ゴミ出しのルールは同じものが適用されるはずですが、
京都市とではなく、一般廃棄物収集運搬業者との回収契約になっていたということですから、
テナントと住居が一体となったビルで、事業系一般廃棄物としてゴミが回収されていたものと思われます。

 そのまま自家用車でマンションに向かった職員は、車内にあった自らのごみと一緒に投棄。そのごみ袋の中には職員宛ての郵便物が入っており、通報を受けた同署が、その郵便物を発見して、投棄者特定に結び付いた。

 職員は1998年4月に採用されてから現在の仕事に就いており、現在は主に伏見区の家庭ごみの収集、運搬を担当。これまで勤務態度に問題はなかったというが、ごみのルールについて熟知していたとみられる職員の不祥事とあって、京都市は「事実関係をしっかり確認した後、処分を検討していきたい」と深刻に受け止めている。

出勤のついでにルールに従って清掃工場にごみを持ち込めば問題なく処理できたはずなので、割に合わない犯罪でした。

郵便物一通で不法投棄実行者を簡単に特定できますので、不法投棄は本当に割に合いません(笑)。

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