パソコン解体作業委託による障害者支援(千葉県市川市)

「仕事の提供による知的障害者の方への支援」は個人的に関心を持っているテーマですので、当ブログでも、過去に何度か記事にしております。

・2012年11月19日 障害者に配慮した業務委託の好例(基盤解体)
・2014年2月12日 これは良い協働事例です

今回は、千葉県船橋市に続いて、同県市川市も障害者支援施設などにパソコンの解体を委託し、解体をした障害者自身の収入増につなげるというニュースをご紹介します。

2014年9月25日付 読売新聞 小型家電リサイクル 市川で障害者ら参加

 市川市の小型家電リサイクルに、社会福祉法人市川レンコンの会(市川市下新宿)が運営する障害者支援施設と県立特別支援学校市川大野高等学園(同市大野町)が新たに加わった。知的障害を持つ若者が小型家電を分解し、売却益は若者たちの収入になる。小型家電リサイクルで自治体と障害者らが連携するのは、県内では船橋市に次いで2例目。

 市川市では2013年11月から本庁舎、行徳支所、公民館など22か所に回収ボックスを設置し、市民から小型家電の回収を始めた。清掃業者でつくる市清掃業協同組合が今年4月から、集まった家電をレンコンの会と大野高等学園に搬入している。解体・分別された小型家電は同組合を通して材料別に再生事業者に引き渡され、売却益は解体・分別を担当した本人に支払われる。

 レンコンの会が運営する同市末広の知的障害者の福祉作業所では、今年6月から本格化させ、2~4人が解体・分別を行っている。パソコンはデスクトップなら4台、ノートなら6台が1日の目標だ。

 船橋市は今年2月から、障害者らと連携して小型家電リサイクルに取り組み、成果を上げている。スタート当初に比べ、持ち込まれる家電が少なくなっているのが懸念されるという。

 県障害者就労事業振興センターによると、障害者が小型家電の解体・分別に専念して得られる月額平均額は、県内で働く障害者の月額平均工賃(1万2519円)よりは高額だという。持ち込まれる家電が多ければ、障害者の収入増につなげられる。

機械ではなく人間の手作業ですので、パソコンの解体量を無限に増やすわけにはいきません。

そのため、障害者の方の収入をさらに増やすためには、
解体工程を減らして、一人あたりの収入増に直結する部品の解体量をもっと増やすなどの工夫が不可欠となりますが、
現在は市川市が回収したパソコンなどに限定されるため、やはり取扱量を増やすのは難しそうです。

もちろん、いきなり最初から大成功というビジネスモデルを築くのは事実上不可能ですので、
まずは事業化をし、問題を解決しながら取扱量などを徐々に大きくしていくしかありません。

市川市の事例の場合は、最初から月額平均工賃を上回る工賃の支払いが可能な見込みとのことですので、ビジネスモデルとしてもかなり有望なものと言えそうです。

今後、全国各地で障害者へ仕事を依頼する事例が増えていき、各地で成功事例が生まれてくれば、そのモデルが全国各地に波及し、障害者支援が一気に改善するかもしれません。

その意味でも、船橋市や市川市の取組みには大いに期待しております。

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