リサイクルは免罪符にならない

当ブログ2014年10月1日付記事 岩手県が廃油撤去の行政代執行を実施 の続報で、行為者が逮捕されました。

2014年11月21日付 岩手日報 廃油撤去従わず逮捕 花巻に放置、容疑の元社長逮捕 

 廃油が入ったドラム缶の撤去を求めた県の措置命令に従わなかったとして、花巻署と県警生活環境課は20日、廃棄物処理法違反(措置命令違反)の疑いで、廃棄物精製・有機肥料製造業コーミックスジャパン(青森県十和田市)の元社長で無職の容疑者(60)=本籍青森県十和田市、住所不定=を逮捕した。措置命令違反容疑での逮捕は県警初。

 逮捕容疑は、2006年12月2日から3日にかけて、花巻市湯本の民有地に廃油入りドラム缶246本(計約55トン)を運搬して放置し、09年8月19日に県から撤去や処理を命じられたにもかかわらず、その命令に従わなかった疑い。

 県警によると、容疑者は「廃油からバイオディーゼル燃料を精製するつもりだった。県が勝手に産業廃棄物と認定した。納得できない」とし、容疑を否認している。

 県資源循環推進課の田村輝彦廃棄物対策担当課長は「業者には廃棄物を適正に管理する責任があることを認識してほしい。監視や指導を強化し、早期の発見に努める」としている。

住所不定無職の原因者を容易に逮捕していることから、県警が早い段階から居所の把握をしていたことがうかがえます。

赤字で強調しておりますが、容疑者の言い訳が廃棄物処理法で認められるものではないことは皆様ご承知のとおりです。

仮に最初はバイオディーゼル燃料を精製するつもりだったのだとしても、ドラム缶が腐食するまで廃油を長期間放置し続けている以上、「処理や再生などの意思なし」とみなさざるを得なくなります。

事件報道としては短い記事ですが、
法律違反をした人や、あるいは自分の行動に疑問を持たない人の多くが、陥りやすい境地を端的に物語っている記事でもあります。

逮捕容疑が不法投棄ではなく、措置命令違反になっているのは、公訴時効や犯罪の証明が困難であったためと思われます。

措置命令違反にしても、命令発出日は2009年8月19日ですから、「履行期限に至っても履行が行われなかった」ことをもって措置命令違反となったものと思われます。

岩手県では措置命令違反による逮捕は初とのことですが、全国各地で措置命令違反による立件事例は決して珍しくありません。

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