これが本当の社会貢献

不祥事や法律違反事例ばかりではなく、たまには清々しい読後感を与えるニュースをご紹介したいと思います(笑)。

2016年10月1日付毎日新聞 「廃棄食品横流 無償で撤去協力、知事から感謝状/岐阜

 廃棄食品の横流し事件に絡み、産業廃棄物処理業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)が海津市内の倉庫に不正保管していた廃棄食品などを無償で撤去したとして、古田肇知事は30日、可児市広見の産廃業者「フィルテック」(沢田裕二社長)に感謝状を贈った。

 ダイコーは海津市内の倉庫に飲料水や菓子類など2569立方メートルを不正に保管。排出者は4月から自主撤去を進めてきたが、一部は排出者が特定できずにいた。これを受け、フ社は泥状になった廃棄食品86立方メートルをトラック11台で自社の最終処分場に運び、埋め立て処分した。撤去は8月30日に完了した。

 沢田社長は取材に「事件で心を痛めており、少しでも社会貢献できればと考え、無償撤去を申し出た。知事から感謝状を受け取り、うれしく思う」と話した。

管理型最終処分場を持っている業者さんとはいえ、無償で撤去及び処分を行うというのはなかなかできることではありません。

トラック11台分の無償撤去・処分ですので、金額にすると、30~50万円程度のコストになりましょうか。

加えて、既に腐敗が進んでいる汚泥ですので、浸出水の処理コスト増を一定期間見込まなければいけません。

無償で廃棄物の引受けをしたからといって、税負担が軽くなることは有り得ませんし、むしろ会社の資産をすりつぶすことになってしまいます。

それでもあえて、地域貢献、そして社会貢献のために一肌脱ぐ。

これこそがまさに社会貢献と言えましょう。

産業廃棄物処理業者=ブラック、あるいは反社勢力という、偏った、そして間違ったイメージが強調される報道が多い昨今だからこそ、
「地域の生活環境保全のために、自社の損失を顧みず行動する」廃棄物処理企業にも光を当てるべきだと思います。

株式会社フィルテックさんのHPを拝見すると、トップページに「施設の維持管理状況」を掲載する等、真摯な情報開示姿勢が伝わってきます。

もしも、これが宣伝臭の強いゴテゴテした企業HPだったら紹介するのを辞めようと考えていました(笑)。

企業理念と実際の言行が一致しているかどうかは、こんなところにも現れますね。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ