リサイクル関連の制度新設か?

2023年8月28日付 時事通信 「使用済み、同じ製品に再生産 「水平リサイクル」調査へ―メーカーと産廃業の連携促進・環境省

 環境省は2024年度、産業廃棄物に含まれるプラスチックや金属などが製造業者によってどのようにリサイクルされているか実態調査に乗り出す。使用済み製品を同じ製品に再生産する「水平リサイクル」を進める一環。メーカーが再生原料を入手するのに産廃処理業者との協力は不可欠で、両者が効率的な資源循環に向けてどう連携しているかを探る。

 同省は24年度予算概算要求に調査の関連経費を盛り込む。

(中略)

 同省は水平リサイクルを含め、メーカーと産廃業者の連携を促す新制度を検討するため、有識者検討会で7月、議論に着手。早ければ来年の次期通常国会に関連法案を提出する考えだ。

7月に設置された有識者検討会の名称が書かれていないため、探すのに苦労しましたが、
静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会」のことのようです。

時事通信では「水平リサイクル」、小委員会の名称は「静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築」ですので、報道と正式名称の内容が完璧に一致しているわけではありませんが、「脱炭素」を目指すために、「水平リサイクルを推進する」という目論見なのかもしれません。

「かもしれません」と書いた理由は、
本稿執筆時点では、小委員会の議事録が公開されていないため、会議資料を閲覧することしかできず、あくまでも私の想像でしかないからです。

小委員会での議論の方向性としては、会議資料で次のように示されています。

「御議論いただきたい事項」を見る限り、「水平リサイクル」には直接的に言及されていませんが、会議当日に具体例として「水平リサイクル」が例示されたのかもしれません。

いずれの議案も、社会的に賛同が得られることは間違いないテーマと思います。

言わずもがなですが、重要なことは、制度の「使いやすさ」や「使うメリットがあること」ですので、そこをどう設計するのかがポイントとなります。

2023年度中は廃棄物処理法改正の検討を始める予定は無さそうですので、2024年度以降と考えられるその議論と同時並行で進め、「法案提出は2024年の通常国会(2025年1月招集)」となるものと思われます。

8月28日付の上記の報道に先立ち、時事通信の2023年7月2日付報道で、「産廃から資源回収へ新制度 優良業者を認定―環境省検討」というものがあり、

2023年6月5日付の「中央環境審議会循環型社会部会(第46回)」を受けての報道と思われますが、

 環境省は、産業廃棄物に含まれる資源のリサイクルを強化するため、産廃処理業者を対象にした新たな制度を導入する検討に入った。製造業者との連携に積極的な業者を優良業者として認定する仕組みを想定。産廃から回収したプラスチックや金属を再資源化し、メーカーに販売する流れを後押しする。近く有識者による議論を始め、来年度予算概算要求にも反映したい考えだ。

と報道されていました。

循環型社会部会の議事録を読んでも、そのような突っ込んだ話は見当たりませんでしたので、いわゆる「観測気球」という記事なのだろうと思います。

以上、新しい制度像がまだ固まっていない状況ではありますが、法律改正か新法制定かはわかりませんが、環境省が動き始めたことだけは確かですので、速報としてお伝えさせていただきました。

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