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第47回「第47条 罰則(1年以下の拘禁または50万円以下の罰金)」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法
第六章 罰則

第47条 第32条の規定に違反して、調査業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

再資源化事業高度化法第32条とは、「登録調査機関の秘密保持義務」で

再資源化事業高度化法

第32条(秘密保持義務) 登録調査機関若しくはその役員若しくは職員又はこれらの者であった者は、調査業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。

となります。

「拘禁刑」って何かしら?

新しい刑事罰が急に創設されたの!?

と不安に思った方は、

当ブログ2022年6月15日付「コウキンの乱」をご参照ください。

2025年以降、「懲役と禁錮の両刑を拘禁刑に一元化」されるというものです。

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海上自衛隊のダメージコントロール力が試されている

2024年7月8日付 NHK「海に不法投棄で海自2人免職

海上自衛隊呉基地を母港とする潜水艦救難艦に所属する隊員3人が香川県小豆島付近の海域などで塗料の入った缶などを不法投棄したとして海上自衛隊は8日付けで、隊員2人を懲戒免職、隊員1人を停職1年の懲戒処分にしました。

海上自衛隊は呉基地を母港とする潜水艦救難艦「ちはや」に所属する50代の海曹長と30代の3等海曹を懲戒免職としたほか、20代の海士長を停職1年の懲戒処分にしました。

「また海上自衛隊(の隊員)が不法投棄したのか!」と思ってしまいましたが、報道の続きを見ると、

海上自衛隊によりますと、令和3年11月、香川県小豆島付近の海域などで海曹長の指示を受けて隊員2人が塗料やニスなどが入った缶など41点、あわせて167キロを2回に分けて海に投棄したということです。
3人はいずれも事実関係を認めているということです。

と、聞いたことのある話です。

当ブログでも、2022年3月3日付で、「個人的資質ではなく組織の問題かもしれない」として取り上げた、瀬戸内海での塗料缶不法投棄事件の続報でした。

たった1回の不法投棄で、公務員としては死刑宣告に等しい「懲戒免職」が科されたことには、海上自衛隊が「一罰百戒」の方針で綱紀粛正に臨んでいる様子がうかがえます。

国家公務員が懲戒免職されると、「退職金の全部または一部のカット」されることとなり、それまで真面目に積み上げてきた公務員としての実績の大部分が「無かったこと」になってしまいます。

これだけきついペナルティが科されるとなると、「気軽に不法投棄」される確率は非常に低くなりますので、起きてしまった危機の被害を最小限に抑える「ダメージコントロール」としては、ギリギリの及第点というところでしょうか。

「懲戒処分の決定までに2年間も掛かった」ことが大幅な減点ポイントです。

また、綱紀を粛正しただけでは、いずれそれが弛緩することは避けられませんので、「廃棄物の処分(委託)方法を簡便にする」等のシステマティックな改善も不可欠です。

旧大日本帝国軍の例を引くまでもなく、日本の組織は、伝統的に「精神論」に陥りがちですので、今回の事件を契機として、円滑、かつ効率的な廃棄物処分(委託)システムを構築していただくことを期待しています。

さて、今回取り上げた不法投棄事件は、海上自衛隊の「身から出た錆」でしかありませんが、最近
・設備メーカーにNintendo Switchを所望
・特定秘密の不適切な取扱いが発覚
・基地内の食堂で無銭飲食が発覚
等々、海上自衛隊関連の不祥事報道が続出しています。

個人的な妄想ですが、「どこかの国に握られていた恥ずかしい情報が、一挙に蔵出しされた」ようにも見えます。

根も葉もない与太話であれば対応する必要はありませんが、すべて事実であった以上、
・そもそもの話として、規律違反を起こさない
・機密にアクセスできる人間を厳選し、厳重に情報管理をする
・防諜活動をもっと高レベルで行う
等の対応が不可欠であると思います。

海上自衛隊のダメージコントロール力の真価が問われる事態となっていますので、危機を「改善の好機」へと転化できるような迅速な取り組みを期待します。

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2024年7月12日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:news

第46回「第46条 経過措置」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法

第46条(経過措置) この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

実務的には特に触れるべき点が無い条文ですので、条文の紹介のみに止めておきます。

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第45回「第45条 立入検査」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法

第45条(立入検査) 環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、認定高度再資源化事業者又は認定高度分離・回収事業者の事務所、工場、事業場又は倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、登録調査機関の事務所、事業場又は倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3 前2項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
4 第1項及び第2項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

再資源化事業高度化法に基づく環境大臣(省)の立入検査対象は、
・「認定高度再資源化事業者」
・「認定高度分離・回収事業者」
・「登録調査機関」
の3者となります。

立入検査対象の場所は、「事務所」「工場」「事業場」「倉庫」
立入検査対象は、「帳簿」「書類」「その他の物件」
となります。

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第44回「第44条 報告徴収」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法

第44条(報告の徴収) 環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定高度再資源化事業者に対し、認定高度再資源化事業計画に従って行う高度再資源化事業の業務の状況に関し報告させることができる。
2 環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定高度分離・回収事業者に対し、認定高度分離・回収事業計画に従って行う高度分離・回収事業の業務の状況に関し報告させることができる。
3 環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、登録調査機関に対し、調査業務の状況に関し報告させることができる。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

環境大臣が報告徴収を行うことができる相手として、
・認定高度再資源化事業者
・認定高度分離・回収事業者
・登録調査機関
の3者が規定されてます。

後の第50条で詳細を見ていくことになりますが、
「報告拒否」と「虚偽報告」をした場合は、
「30万円以下の罰金」の対象となります。

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第43回「第43条 振興財団の業務」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法

第43条(産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の特例) 産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律第16条第1項の規定により指定された産業廃棄物処理事業振興財団(次項において「振興財団」という。)は、同法第17条各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。

一 次に掲げる資金の借入れに係る債務を保証すること。
イ 認定高度再資源化事業者が行う認定高度再資源化事業計画に記載された第11条第2項第九号に規定する廃棄物処理施設の設置に必要な資金
ロ 認定高度分離・回収事業者が行う認定高度分離・回収事業計画に記載された第16条第2項第七号に規定する廃棄物処理施設の設置に必要な資金
ハ 認定再資源化工程高度化計画実施者が認定再資源化工程高度化計画に従って行う設備の導入に必要な資金
二 需要に応じた資源循環に関する情報を収集し、及び提供すること。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 前項の規定により振興財団が同項各号に掲げる業務を行う場合には、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律第18条第1項中「業務」とあるのは「業務及び資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律(以下「再資源化事業等高度化法」という。)第43条第1項第一号に掲げる業務」と、同法第19条中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び再資源化事業等高度化法第43条第1項各号に掲げる業務」と、同法第21条第二号中「及び」とあるのは「及び再資源化事業等高度化法第43条第1項第一号に掲げる業務並びに」と、同条第四号中「及び」とあるのは「及び再資源化事業等高度化法第43条第1項第二号に掲げる業務並びに」と、同法第22条第1項、第23条及び第24条第1項第一号中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務又は再資源化事業等高度化法第43条第1項各号に掲げる業務」と、同法第23条中「この章」とあるのは「この章又は再資源化事業等高度化法」と、同法第24条第1項第三号中「この章」とあるのは「この章若しくは再資源化事業等高度化法」と、同法第30条中「第22条第1項」とあるのは「第22条第1項(再資源化事業等高度化法第43条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この条において同じ。)」と、「同項」とあるのは「第22条第1項」とする。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

再資源化事業高度化法に関する、産業廃棄物処理事業振興財団の業務内容を規定した条文です。

実務的には、「認定事業者が借入れを行う際の債務保証」が中心となりそうです。

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第42回「第42条 関連施策との連携」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法

第42条(関連する施策との連携) 国は、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策の促進に当たっては、地球温暖化の防止に関する施策、生物の多様性の保全に関する施策その他の関連する施策との連携を図るものとする。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

「再資源化事業高度化法」と連携を取るべき施策として、
・地球温暖化の防止
・生物の多様性の保全
・その他の関連する施策
の3点が挙げられています。

「地球温暖化防止」はさておき、「再資源化事業高度化法」と「生物の多様性の保全」は関連性を見出す方が難しいですが、国としての理念的な目標を表明した一文と言えます。

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第41回「第41条 財政上の措置」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法
第五章 雑則

第41条(財政上の措置等) 国は、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策を実施するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

いよいよ「第五章雑則」に入りました。

残りは、「第五章雑則」と「第六章罰則」だけですので、もうしばらくお付き合いください。

第41条は、一般的な「財政上の措置等」に関する国の努力義務規定です。

この条文に基づき、認定事業者等への補助金制度が創設されるものと思われます。

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第40回「第40条 報告事項の公表」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法

第40条(報告事項の公表) 環境大臣は、第38条第1項又は第2項の規定により報告された事項について、環境省令で定めるところにより、公表するものとする。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

第38条第1項の報告は、「特定産業廃棄物処分業者からの報告」
第38条第2項の報告は、「特定産業廃棄物処分業者以外の産業廃棄物処分業者からの任意の報告」
となります。

基本的には、処分業者が環境大臣に報告した内容がそのまま公表されることになりますが、
特定産業廃棄物処分業者の場合は、「第39条 特定産業廃棄物処分業者の権利利益保護」でも見たとおり、

当該特定産業廃棄物処分業者の権利、競争上の地位その他正当な利益が害されるおそれがあると思料するとき

は、「産業廃棄物の種類ごとの処分量」から「再資源化率」として公表することを請求できます。

特定産業廃棄物処分業者以外の産業廃棄物処分業者には、任意の報告であるためだと思われますが、上記の請求は認められておりません。

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第39回「第39条 特定産業廃棄物処分業者の権利利益保護」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法

第39条(権利利益の保護に係る請求) 特定産業廃棄物処分業者は、前条第1項の規定による報告に係る事項の情報が公にされることにより、当該特定産業廃棄物処分業者の権利、競争上の地位その他正当な利益が害されるおそれがあると思料するときは、当該事項に代えて、当該特定産業廃棄物処分業者が再資源化を実施した産業廃棄物の数量がその処分を行った産業廃棄物の数量に占める割合として環境省令で定める方法により算定した割合をもって次条の規定による公表を行うよう環境大臣に請求を行うことができる。
2 特定産業廃棄物処分業者は、前項の請求を行うときは、前条第1項の規定による報告と併せて、環境省令で定めるところにより、その理由を付して行わなければならない。
3 環境大臣は、第1項の請求を認める場合には、その旨の決定をし、当該請求を行った特定産業廃棄物処分業者に対し、その旨を通知するものとする。
4 環境大臣は、第1項の請求を認めない場合には、その旨の決定をし、当該決定後直ちに、当該請求を行った特定産業廃棄物処分業者に対し、その旨及びその理由を通知するものとする。
5 前2項の決定は、第1項の請求があった日から30日以内にするものとする。
6 前項の規定にかかわらず、環境大臣は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項の期間を30日以内に限り延長することができる。

法律の全文は e-GOV「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」をご参照ください。

独断と偏見に基づく注釈

毎年環境大臣への報告が義務付けられている、特定産業廃棄物処分業者限定の権利利益保護規定です。

第1項

  • 報告した情報が公開されることで、「当該特定産業廃棄物処分業者の権利、競争上の地位その他正当な利益が害されるおそれがあると思料するとき」には、
  • 「処分を行った産業廃棄物の数量」「再資源化を実施した産業廃棄物の数量」に代えて、
  • 「再資源化を実施した産業廃棄物の数量がその処分を行った産業廃棄物の数量に占める割合として環境省令で定める方法により算定した割合」を公表するように、
  • 環境大臣に請求できる

とされています。

「再資源化量」そのものではなく、「リサイクル率」等の比率の公開に代えてくれ、という請求ですね。

「処分量」や「再資源化量」を公開することで競争上の地位が害されるケースを想像しにくいのですが、
リサイクル原料の売却先が国内に1社しかないという市場で、その1社に他社から安値攻勢をかけられると困るといった状況となりましょうか。

第2項
第1項の請求には、「理由を付すこと」が必要とされています。

第3項
環境大臣は、第1項の請求を認めた場合、請求を行った特定産業廃棄物処分業者に対し、請求を認める旨の通知をするとされています。

第4項
第3項とは逆に、
環境大臣は、第1項の請求を認めない場合、その決定後直ちに、請求を行った特定産業廃棄物処分業者に対し、請求を認めない旨及びその理由を通知するとされています。

第5項
請求認容、または拒否の決定は、第1項の請求があった日から30日以内にすることとされています。

第6項
環境大臣は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、請求認容または拒否の決定期間を、「第5項の30日以内」からさらに「30日以内に限り」延長することができる、とされています。

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