廃棄物処理法の罰則(第30条 30万円以下の罰金)

廃棄物処理法第30条は、「30万円以下の罰金」という刑罰を定めています。

産業廃棄物処理業者には、産業廃棄物の処理に関する帳簿を作成する義務がありますので、帳簿を作成しなかった、あるいは帳簿に虚偽の記載をした場合、その処理業者は「30万円以下の罰金」に処せられます。

また、特別管理産業廃棄物を排出する排出事業者や、産業廃棄物処理施設を設置している排出事業者にも、帳簿を作成する義務がありますので、それらの排出事業者が帳簿を作成しなかった場合、産業廃棄物処理業者のときと同様の罰則が適用されます。

産業廃棄物処理業や産業廃棄物処理施設の内容に変更が生じた際には、その内容を、都道府県知事に届出なければなりませんが、その変更届をしなかった、あるいは虚偽の変更届をした場合も、「30万円以下の罰金」に処せられます。産業廃棄物処理業者のみならず、産業廃棄物処理施設を設置している排出事業者にも、産業廃棄物処理施設の内容に変更が生じた際の届出義務がありますので、変更届を怠ると、同様の罰則が適用されます。

産業廃棄物処理施設の設置者は、その施設の維持管理記録を作成し、施設の稼動に異常がないかなどをチェックしなければなりませんが、その維持管理記録を作らず、または虚偽の記録をした者も、「30万円以下の罰金」に処せられます。

また、産業廃棄物処理施設には、産業廃棄物処理責任者や技術管理者を設置しなければなりません。それらの資格者を設置しなかったときも、同様の刑罰に処せられます。

行政が廃棄物処理法に基づき行う「報告徴収」に対し、報告をしなかった、あるいは虚偽の報告をした者は、「30万円以下の罰金」に処せられます。行政からの立入検査や廃棄物の収去を拒んだ者も、同様の刑罰に処せられます。

以上のように、「30万円以下の罰金」は、帳簿や維持管理記録の整備、行政への届出などの履行を担保する罰則で、全体的に行政の監督機能を高め、あるいは補完する効果を持っています。

これらの罰則は、自ら気をつけていれば、すべて防ぐことができます。

帳簿の整備などは、日々の業務で頻繁に使用するものですので、毎日の業務を、法律的に正しく行うだけでも、コンプライアンス態勢の構築に役立ちます。

もし、行政からの報告徴収や立入検査があった場合は、虚偽の報告をしたり、検査を拒否したりするのではなく、誠実な対応を心がけ、廃棄物処理法上の問題が露見した場合には、何が問題なのかについて行政の指導を受け、問題を根本的に解決するきっかけにするのが良いでしょう。

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