2012年の廃棄物由来資源の輸出状況

財務省貿易統計から、2012年の廃棄物由来資源の輸出状況をピックアップします。

まずは廃プラスチックの2011年8月から2012年7月までの輸出量

すべての廃プラスチックの輸出量は、ほぼ横ばいの状態となっています。

しかし、1kgあたりの輸出単価で見てみると

PETくずのみ、1年で1kgあたり10円も輸出単価が下がっています。

1年間のみの推移では正確なトレンドがわかりにくいので、リーマンショックがあった2008年以降の約4年間の統計をグラフにしました。
※画像サイズが大きいので、クリックするとフルサイズで見ることができます。

長期的なトレンドとしても、輸出量にはそれほど大きな変化が現れていませんが、PETくずの輸出単価は逓減傾向にあるようです。

輸出量は減っていないのに、輸出単価のみが下落しているということは、
PETくず輸出の旨味が減っているということです。

旨味が減ったとはいえ、1kgあたり50円弱で売れていますので、しばらくの間はPETくずの輸出の勢いは続きそうです。

ただ、中国の経済成長の勢いも一服しつつありますので、それが先ぶれとして、こういった統計資料に現れていると見方も可能です。

最後は、鉄スクラップの輸出単価のトレンドです。
※画像サイズが大きいので、クリックするとフルサイズで見ることができます。

鉄スクラップについては、かなり如実に低迷傾向が現れています。

中国は、アメリカを抜いて世界で最大の鉄スクラップ発生国になりましたので、いずれは鉄スクラップの輸入ではなく輸出国に変わっていくものと予想されています。

中国や韓国が鉄スクラップを買ってくれることによって、日本の鉄資源リサイクルが回っている面もありますので、上記の流れを頭に置くと、長期的には日本の鉄リサイクル事業者の淘汰が進んでいくことになりそうです。

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