産業廃棄物処理業者初の被告発事例
高速道路を車両制限令で定められた基準以上の重量で通行すると、道路法違反となります。
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2014年11月13日付 「国交省、悪質な過積載車両を迅速に刑事告発する方針に」
2015年6月11日付 「悪質な過積載の即時告発事例」
で解説したとおり、2015年2月以降、道路管理者には、悪質な重量超過車両を見つけ次第、道路法違反事件として告発をすることが求められています。
それ以降、運送会社が同法違反で告発をされたことはありましたが、産業廃棄物処理業者初の被告発事例ニュースが飛び込んできましたので、ご紹介します。
2015年7月29日付 中日本高速道路株式会社発表 「道路法第47条第2項違反者(重量超過車両)の告発について ~新たな実施方針に基づいた、中日本高速道路(株)初の告発事案~ 」
2015年5月29日に、東名高速道路横浜町田インターチェンジ(神奈川県横浜市緑区長津田町5627-4)において、道路法第47条第2項に違反して、大型トレーラーを通行させた運転手を同法第104条第1号(筆者注:「100万円以下の罰金」)、その雇用主である株式会社光洲産業(神奈川県川崎市高津区、代表取締役:光田栄吉)を同法第107条(筆者注:両罰規定の適用で「100万円以下の罰金」)に該当するものとして、神奈川県警察高速道路交通警察隊に告発しました。
今回の違反は、車両制限令で定められた一般的制限値25トンを大きく超過する車両総重量50.75トンで大型トレーラーを通行させていたことから、極めて悪質な違反であると考えております。
また、今回告発した運送会社は、これまでも道路法違反が多く確認されていたため、高速道路機構及び中日本高速道路(株)では改善指導をおこなってきましたが、改善がみられず、違反行為がおこなわれていたものです。
今年1 月に国土交通省から、車両総重量が基準の2倍以上の重量超過の悪質違反者に対しては、その違反の事実をもって告発をおこなう実施方針が打ち出されたことに伴い、高速道路機構及び中日本高速道路(株)を含む高速道路6会社においては、この方針に基づき、高速道路における悪質違反者への厳罰化を図っているところです。本件は、この方針に基づき告発をおこなう中日本高速道路(株)管内での最初の適用事案になります。
「積載量を少しだけオーバーしてしまった!」というレベルではなく、車両制限令の2倍以上の重さの大型トレーラーを通行させていたとのことなので、かなり悪質な道路法違反と言えます。
また、道路管理者から度々改善指導を受けていたにもかかわらず、違法な車両の運行を継続していたようです。
道路法が改正されたわけではなく、「違反に対する道路管理者の姿勢が厳格化されただけ」なので、被告発者が規制厳格化の動きを知らなかった可能性はあります。
しかしながら、そもそもが道路法違反となる行為でしたので、「知らなかった」という言い訳はまったく通用しません。
ネクスコ中日本の発表によると、東名高速の町田インターチェンジ入口で重量超過が発覚したとのことですので、
中間処理後の産業廃棄物を、栃木県那須塩原市にある自社最終処分場まで運搬する途中だったのかもしれません。
もしそうなら、産業廃棄物の運搬コストを極限まで節約するために、一度に大量の産業廃棄物を運搬する目的で大型トレーラーを使っていたと考えられます。
その行為自体は、企業のコスト削減努力と評価することも可能ですが、それによって道路法違反をしてしまっては本末転倒となります。
今回のネクスコ中日本の告発により、車両総重量50t超の大型トレーラーを高速道路上で走らせるのは事実上不可能となりました。
その結果、今までは1回で運搬できていた物を2回以上に分けて運搬しなければならなくなりますので、運送コストはその分激増します。
建設廃棄物処理が主体の企業のようですので、今から顧客に運送コスト分の値上げを呑んでもらうのも難しそうです。
仮に道路法違反で法人が罰金刑になったとしても、産業廃棄物処理業の欠格要件には該当しませんが、
運送コストの激増という、企業にとっては、経営に直結するダメージがボディブローのように蓄積していくこととなりそうです。
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2015年8月7日 | コメント/トラックバック(2) | トラックバックURL |
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コメント
先日は長岡市の講演をありがとうございました。
知らないことばかりで驚愕でした。
話を聞けば当たり前の事で年々厳しくなるのも当然ですね。
まだまだ知らないことも沢山ありますが学びつつ
『地球や人間に優しい対処』を心がけたいと思います。
朝晩寒くなりましたので御身体御自愛下さい。
ありがとうございました。
ご聴講まことにありがとうございました。