廃棄物管理における重要な内部監査ポイント

ISO14001などの内部監査に有効なチェックポイントを解説します。
まずは委託契約書から
1.委託契約を結んだ上で、産業廃棄物の処理委託をしているかどうか
2.委託先の処理業者の許可は現在でも有効か
許可期限が満了している許可証を、そのまま委託契約書に添付している事例がよく見受けられます。
3.契約書に「単価」「数量」が記載されているか
月ごとに単価が変動するような場合は、「単価」の欄に「別途覚書で決定する」などと記載し、契約書と覚書を一緒に保存しておきましょう。
4.委託する産業廃棄物の種類は適法か
委託先業者の許可証をよく確認し、許可を持っていない産業廃棄物を委託しないよう注意します。
5.中間処理の委託の場合は、中間処理後の産業廃棄物の処分場所に注意
木くずなどの管理型品目の中間処理を委託しているのに、中間処理後の最終処分場所として「安定型処分場」が記載されていることがよくあります。
次はマニフェストについて
1.マニフェストがキチンと所定の場所に保存されているか
当り前の話ですが、まずはマニフェストが排出事業者によって発行され、排出事業者自身がチェックをすることが大原則です。
マニフェストがは、返送されてきたとき」から5年間保存しなくてはなりません。
2.委託契約書のとおりに、マニフェストが運用されているかどうか
運搬受託者や、処分受託者として、委託契約の相手方処理業者を記載しているかどうか
3.マニフェストの数量欄に記載はあるか
産業廃棄物の引き渡し時点に正確な重量がわからない場合でも、おおよその目安、たとえば「8立方メートルコンテナ分」などの、ある程度数量を把握できる記載をしておくことが重要です。
委託先処理業者で検量をしている場合は、返送されてくるマニフェストに、正確な重量を記載してもらいましょう。
廃棄物の重量(あるいは容量)は、料金の支払い根拠となる重要な数値です。
4.1枚のマニフェストで複数の産業廃棄物の処理を委託していないか
分離が著しく困難な混合廃棄物でない限り、産業廃棄物の各種類ごとに1枚のマニフェストを発行する必要があります。
パレット(木くず)とポリ袋(廃プラスチック類)の2つの処理を委託する場合、1台のトラックで両方を一緒に運搬することは可能ですが、「木くず」のマニフェスト、「廃プラスチック類」のマニフェストと、2枚のマニフェストを発行することが必要です。
5.マニフェスト発行後90日以内に、運搬終了報告が返ってきているか
特別管理産業廃棄物の場合は、発行後60日以内に返送されていなければなりません
6.マニフェスト発行後180日以内に、最終処分終了報告が返ってきているか
「5」と「6」が満たせていない場合は、排出事業者が委託先業者に確認をし、適切な措置を講じた上で、都道府県知事に報告する必要があります。

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コメント

  1. 日本代表 より:

    大変参考になる事がたくさんありありがたく読ませて頂いております。
    当方、再生利用業をしておるのですが、搬入量が排出業者との契約書に記載した数量の3分の一以下になってしまい、困っております。排出業者との月搬入数量を決めた上で設備投資をしております。まだ返済が始まったばかりで負債も抱えております。この場合どのような法的制約を発動できるのでしょうか?

  2. 尾上雅典 より:

    日本代表 様 コメントありがとうございました。

    予定数量を下回る搬入量しかない場合、契約書で違約金の定めなどをしていない限り、ペナルティを相手に課すのは難しいと思われます。

    相手のために特別の設備投資をし、相手もそれを知りつつ搬入量を一方的に削減した、という条件が揃う必要もありそうです。

    契約の内容がすべてということになりますね。

  3. 日本代表 より:

    尾上様

    ありがとうございました。
    再生利用なので基本的に相手のために特別の設備投資をし、相手もそれを知りつつ搬入量を一方的に削減したという形になります。
    契約書にも数量明記はしてあるのですが・・・

    なかなかですね。


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