【廃棄物の処理及び清掃に関する法律解釈上の疑義について】公布日:昭和56年7月14日
環産第25号(厚生省環境衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長から警察庁保安部公害課長あて回答)昭和五六年六月一七日付警察庁丁公害発第八四号をもって照会のあった標記について、左記のとおり回答する。
記貴見によることとして差し支えない。
昭和56年6月17日
警察庁丁公害発84号(警察庁保安部公害課長から厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長あて照会)
照会事項蒲鉾、ちくわ、てんぷら等の食料品を製造する過程において生じた残渣物が、処理施設に流入して沈殿し、でい状になった物、及び浮遊物(スカム)は総体として産業廃棄物である汚でいと解してよいか。
疑義解釈
過去の行政通知文書から、廃棄物処理法に関する疑義解釈を抜粋、解説します。
畜産農業の定義(昭和47年1月10日付環整2号通知より抜粋)
問6 農家が副業として豚を飼養する場合であっても、その豚に係る家畜ふん尿は、令第1条第10号に規定する産業廃棄物に該当するか。
答 自家用以外のものは、事業内容が畜産農業に該当すると考えられるので、令第1条第10号に掲げる産業廃棄物である。
飼養頭数については、とくに問わないが社会通念上、自家用とみなし得る場合は除かれるものである。
なお、豚以外の家畜についても同様に解されたい。
家畜ふん尿の定義(昭和47年1月10日付環整2号通知より抜粋)
問5 家畜ふん尿の処理施設において生じた汚でいは家畜ふん尿か。また、処理後の放流水についてはどのように考えるのか。
答 設問の処理後の汚でいは、汚でいとして取り扱われるものである。なお、処理後の放流水については、廃棄物処理法においては、処理基準が課せられていない。
他法令の上乗せ基準(昭和47年1月10日付環整2号通知より抜粋)
問4 一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設からのばい煙の排出基準又は排出水の排水基準は、大気汚染防止法又は水質汚濁防止法の規定に基づくいわゆる「上のせ基準」が定められている場合には、これに従うことになるのか。
答 大気汚染防止法等の公害諸法に基づいて地方公共団体の条例でいわゆる「上のせ基準」が定められている場合には、当然その基準を守らなければならない。
地方自治体の独自規制の可否(昭和47年1月10日付環整2号通知より抜粋)
問3 産業廃棄物の処理基準より厳しい基準を地方公共団体の条例で定めることができるか。
答 廃棄物処理法には、かかる条例委任の規定がないので、そのような基準を地方公共団体において定めることはできない。
最終処分の定義(昭和47年1月10日付環整2号通知より抜粋)
問2 一般廃棄物及び産業廃棄物の最終処分の方法は、埋立処分と海洋投入処分に限るものと解してよいか。
答 そのとおりである。なお、放流方式による下水道、又は公共の水域への排出は、最終処分の一方法と考えられるが、それぞれ下水道法又は水質汚濁防止法の定めるところにより行なわれるものである。
処分の用語の定義(昭和47年1月10日付環整2号通知より抜粋)
今回から、過去に発出された行政文書の中から、現在でも通用する疑義解釈を抜粋し、解説する記事を書いていきます。
第1回目は、昭和47年1月10日付環整2号から、「処分」という用語の定義を解説します。
なお、このコーナーでご紹介する疑義解釈は、現在政府機関のHPではほとんど公開されていません。過去の廃棄物法令集から抜粋・転記しております。
公開はされていませんが、基本的、かつ現在でも通用する有益な疑義解釈ですので、資料保存のためにも、当ブログで抜粋紹介してまいります。
問1 処分の用語の定義を明示されたい。
答 中間処理及び最終処分の意である。なお、中間処理には、焼却、脱水、破砕、圧縮等があり、最終処分には、埋立処分と海洋投入処分がある。