(速報)政令改正が閣議決定される

12月17日付けで、環境省から、廃棄物処理法改正に伴い、政令改正が閣議決定されたと発表されました。

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令」等の閣議決定について(お知らせ)

今回は「政令」の改正であるため、まだ「省令」改正が成されておりません。
従って、実務的に影響の大きい改正は年越しになります。

今回の政令改正のポイントは下記の4点です。

(1)優良な産業廃棄物処理業者に係る特例
 先般の法改正により設けられた、優良な産業廃棄物処理業者の許可の特例として、許可の有効期間を7年とすることとする(現行法では一律に5年)。

(2)熱回収施設設置者認定制度
 先般の法改正により設けられた、熱回収施設設置者認定制度について、認定を受けた者が熱回収施設において行う廃棄物の処分基準を定める。

(3)産業廃棄物収集運搬業許可の合理化
 現在は、産業廃棄物の収集運搬については、積卸しを行う全ての都道府県又は政令市の許可を受けなければならないが、原則として、一の政令市を越えて収集運搬を行う場合は、都道府県の許可を受けることとする。

(4)廃石綿等の埋立処分基準
 飛散性の廃石綿等に関する現在の埋立処分基準では、固型化又は二重こん包のいずれかの措置を講ずることとされているが、固型化等の措置を講じた上で二重こん包することを義務付ける。

上記の中でも、「産業廃棄物収集運搬業許可の合理化」は、
環境省にしては思いきった改正を実現しました。

今回の政令改正により、事実上、産業廃棄物収集運搬業の許可申請先は都道府県一本となります。
2011年4月1日以降は、政令市内のみで収集運搬をやる場合以外は、都道府県知事に申請をしなければなりません。

肝心の、現在政令市から許可されている内容が、2011年4月1日以降どうなるのかについては、
「省令」改正の確定によって明らかにされることになります。

ここから先は単なる予想ですが、
今回の政令改正によって仕事が大幅に減るため、
政令市がこれまで培ってきた、人材や現場対応能力が大きく損なわれるのは間違い無さそうです。

政令市の力が落ちた分、都道府県が力を発揮すれば問題ないのですが、おそらくそうはならないでしょう。

政令市の現実的な対応としては、中間処理業のためだけに人員を数人張り付ける意味合いが薄れるため、
産業廃棄物担当課を解体し、一般廃棄物担当課や環境政策担当課に吸収合併させるところが増えると思われます。

そうなると、政令市においては、産業廃棄物問題に対処できる人材は、中間処理業の担当者のみということになり、
善商不法投棄事件のように、許可業者が不正を働いた場合にそれに即応できないという事態が十分想定されます。

1年や2年でそのような状況には陥らないと思いますが、5年、10年先を考えると、かなり不安な気がします。
規制業務経験者の単なる杞憂で終われば良いのですが・・・

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